身体は大きく使えている。
バットも思い切り振っている。
それでも、なぜか
スイングが強くならない。
このような子は、筋力ではなく
バットと前足の力の方向に
問題がある可能性があります。
トップを作るとき、バットと
前足が一緒に捕手方向へ動く。
振り始めても
前足にブレーキがかからず
下半身が上半身と一緒に回ってしまう。
これでは、身体全体が
同じ方向へ流れるため
回転を生み出すための力が作れません。
強いスイングに必要なのは
すべてを同じ方向へ
動かすことではありません。
バットが動く方向に対して
身体のどこかに反対方向の力を作ること。
小学生の今から
身につけたいのは
重いバットを無理に振る力ではなく
反対方向の力を使って
バットを加速させる身体の使い方です。
強く振れない原因は筋力だけではない🤔

スイングが弱いと
「もっと力をつけよう」
「下半身を鍛えよう」
「重いバットを振ろう」
と考えがちです。
もちろん、成長とともに筋力が
高まれば発揮できる力も大きくなります。
しかし、筋力があっても
身体全体がバットと同じ方向へ流れてしまえば
その力を回転や
スイングスピードへつなげられません。
反対に、身体がまだ小さくても
- 地面を両脚で押せる
- 軸足側に力をためられる
- 前足で身体の移動を受け止められる
- 下半身と上半身を違うタイミングで動かせる
このような動きがあれば
全身の力をバットへ伝えやすくなります。
大学生を対象にした
研究では前足が生み出す地面反力と
スイングスピードに
相関が確認されています。
また、両脚が
左右方向に地面を押す力は
身体全体を回転させるモーメントに
関係することも報告されています。
ただし、これらは
大学生を対象とした研究です。
小学生にも同じ数値や動作を
求める根拠にはなりません。
小学生では、強い力を出すことよりも
両脚を使って反対方向の力を
作る感覚を身につけることが先です。
トップでバットと前足が同じ方向へ動いていないか👀

右打者がトップを作るとき
前足である左足を軸足側へ
引きながら、身体に力をためます。
このとき、前足と一緒に
バットまで捕手方向へ大きく入ると
バットと前足の力の方向がそろいます。
身体全体が一つの
塊になって同じ方向へ動くため
上半身と下半身の
間にズレが生まれません。
見た目は大きく動いていても
身体の中では反対方向の力を
作れていない状態です。
トップは、身体を止めて
形を作る場所ではありません。
前足が軸足側へ動く中で
バットや上半身には反対方向へ
向かう準備が生まれる。
この異なる方向の動きによって
身体の前側や体幹が伸ばされ
次のスイングにつながります。
大切なのは、グリップと前足の
位置を決めることではありません。
トップへ入る途中で、バットと前足が
どの方向へ動いているかを見ることです。
反対方向の力を作るヒッチ動作💪
トップで反対方向の
力を作りやすくするのが
「ヒッチ動作」です。
ヒッチとは
スイングを始める前に
グリップやバットのヘッドを
一度動かしてからトップへ入る動作です。
ただ手を上下させれば
よいわけではありません。
前足を軸足側へ引く動きに対してバットを
反対方向へ動かすきっかけとして使います。
例えば右打者なら、前足を
捕手方向へ引くタイミングでヒッチを入れ
バットが前足と
同じ方向へ流れ続けないようにします。
前足とバットが
別の方向へ動くことで
身体の中に
引っ張り合う関係が生まれます。
この関係が、いわゆる
「割れ」を作る準備になります。
ただし、ヒッチ
そのものが目的ではありません。
ヒッチは、バットと前足に
反対方向の力を作るための一つの方法です。
動きの大きさやバットの
動かし方は、構えによって変わります。
✅肘を高く構える選手は
グリップを使ってヒッチを入れやすい。
✅肘をたたんで構える選手は
バットのヘッドを使ってヒッチを入れやすい。
全員を同じ形にするのではなく
構えに合わせて反対方向の力を作ります。
前足の役割は、ただ踏み込むことではない🙅♂️
スイングを始めると
身体は投手方向へ進みます。
このとき前足まで
上半身と一緒に流れ続けると
身体を回転させる土台が作れません。
前足の役割は、前へ
踏み出すことだけではありません。
踏み出したあとに地面を受け
身体の前方への移動を回転へ
変える役割があります。
これは、車のように完全に
停止するという意味ではありません。
前足が地面から力を受け
その力によって骨盤や体幹の回転を
支えることをここでは
「ブレーキ」と表現しています。
・前足が受け止める
・骨盤が回る
・少し遅れて体幹が回る
・最後にバットが出てくる
この順番があれば、身体の移動で
生まれた力をバットへつなげられます。
前足が上半身と一緒に回れば
身体全体が投手方向へ流れます。
しかし、前足が地面を受け止めれば
下半身と上半身の間に反対方向の力が生まれ
回転へつなげやすくなります。
「前足を開くな」では改善しない🙅♂️

前足が流れる子に対して
「前足を開くな」
「壁を作れ」
「軸を残せ」
と伝えることがあります。
しかし、動きを止める言葉だけでは
前足の役割を理解できません。
子どもは前足を
動かさないように固めたり
上半身だけでバットを
振ったりする可能性があります。
必要なのは
前足を止めることではありません。
バットが前へ出る瞬間に、前足が
反対方向の力を地面へ伝えることです。
見た目の形ではなく
力の方向を変える必要があります。
前足が多少開いていても
地面を受けて回転につなげられていれば
すぐに悪い動きとは判断できません。
反対に、前足の形がきれいでも
地面を押せず身体が流れていれば
強い回転は作りにくくなります。
軸足一本から前足を出す🦵

前足のブレーキを覚えるには
最初から両足を地面につけて振るよりも
前足の役割を分けて確認します。
まず、軸足一本で立ち
トップを作ります。
そこからスイングを始めると
同時に前足を投手方向へ出します。
ポイントは、前足と
上半身を一緒に回さないことです。
前足が地面についた瞬間に
その脚で身体を受け止め
バットを前へ振ります。
・前足は前へ出る
・地面についたら身体の移動を受け止める
・その反対方向へバットが走る
この関係を確認します。
強く振る必要はありません。
最初はゆっくり行い
前足が着いたあとに身体全体が
前へ流れていないかを見ます。
これは完成された
スイングを作る練習ではありません。
前足で受ける力と、バットが
進む方向を分けて感じるための練習です。
小学生の今、飛距離より先に身につけたいこと💪

小学生の時期は、身体の大きさや
筋力によって飛距離に差が出ます。
今すぐ遠くへ飛ばすために
- 重いバットを振り込む
- 前足を強く突っ張る
- 上半身を大きくひねる
- 毎回全力で振る
このような動きを求める必要はありません。
先に身につけたいのは
- バットと前足を同じ方向へ流さない
- トップで反対方向の力を作る
- 前足で地面を受ける
- 身体の移動を回転へ変える
- バットを最後に加速させる
という動作の土台です。
今は身体が小さく、打球が
遠くへ飛ばなくても問題ありません。
正しい方向へ
力を出せるようになれば
身体が大きくなり
筋力がついたときに
その力をバットへつなげられます。
反対に、小学生のうちから
身体全体を一緒に回す癖がつくと
中学・高校で
投球速度が上がったときに
振り遅れたり
力負けしたりする原因になります。
強く振るとは、全身を同じ方向へ動かすことではない💦

強く振ろうとすると
すべてを投手方向へ動かしたくなります。
しかし、強い回転は身体全体が
同じ方向へ動くことで生まれるわけではありません。
トップでは
前足とバットに反対方向の力を作る。
スイングでは
バットが前へ進む中で
前足が地面を受け止める。
この引っ張り合う力が
身体の移動を回転へ変え
バットを加速させます。
✅バットと前足を一緒に動かさない
✅前足と上半身を一緒に回さない
✅反対方向の力を、最後にバットへ集める
小学生の今から
身につけるべきなのは
力任せに振る技術ではありません。
中学・高校で身体が成長したとき
その力を逃さずバットへ伝えるための土台です。

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